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結婚し、子どもを育てている施設育ちとしての意見表明(案)

 この意見表明文に追加する項目があれば、コメント欄に記入して下さい。説明文がなければEdwardが書きます。次の検討委員会までに厚労省事務局に届けます。または、委員に直接手渡します。


 3月22日に社会的養護の構想検討会を傍聴し、施設当事者の意見を聞き、危機感を感じ、意見表明をさせて頂きます。
 
 私は、ものごころついたら養護施設にいました。幼児期は50人規模の幼児対象の大舎制養護施設で育ちました。小学校に上がるときに、250人規模の施設で育ちました。その施設は、塀に囲まれた施設内に学校があり、施設の外に出るのは、月に1回あればいいほうで、15歳で施設を出たときは、まるで浦島太郎のように世の中のことを知りませんでした。
 
 まず、委員会に出された意見表明は、独身の施設育ちの一部の意見表明であり、施設内の処遇への意見表明に終始している印象を受けました。
 特に、大舎制施設でも、職員がしっかりしていれば問題がないという意見や、小規模施設の職員と子どものマッチングリスクから、グループホームを否定的に捉える意見、将来の家庭作りのイメージのなさに触れていない点など、養護施設という井戸の中での意見と思いました。
 このような狭い範囲の意見を、全ての養護施設児童の問題として受け取るほど、検討会委員が非見識であるとは思いませんが、委員会の公的な資料として、記事録にも掲載されることに危機感を感じ、この意見表明文を提出するものです。

 私は、社会に出てから様々な困難に直面し、結婚し、子どもを育ててきました。養護施設のみで育ったため、家庭生活を作ることに困難があったり、子育てにおいては育てている子どもに嫉妬を感じたり、地域づきあいの意味すら知らず地域から孤立することもありました。

 自らの育ちの中で、養護施設でヶで育つことの問題を認識し、子どもは施設ではなく家庭で育つべきであるとの認識を強くしました。
 また、養護施設児童が助け合うために、「がんばれ!養護施設出身者」というサイトを8年前に立ち上げました。さらに、7年前に養護施設内虐待の根絶のために、「施設内虐待を許さない会」を立ち上げ、事務局長として活動し、「STOP!養護施設内虐待」というサイトを運営してきました。

 また、子どもは施設ではなく家庭で育つべきであるとの思いから、「子どもの家庭で育つ権利」を提唱し、里親制度の推進と改善を要求し続けています。

 子どもは、どんな子であろうと、たった一人の子として、家庭で愛され大切に育てられ、育て親の愛情とともに社会への帰属意識を育んでいくものです。

 以下に、施設で育つことの問題点、子どもの権利から見た改善点などを記します。どうぞ、賢明な委員の皆様方におかれましては、親が育てられない子どもが、どのように育つのが幸せであるのか、社会の一員として生育していくのか、参考して下さればと思います。

1.健全な家庭生活のイメージを持ってないため、家庭を構築することが困難
 
 子ども時代の全てを施設で育った人にとって、結婚生活が初めての家庭生活です。虐待を受け、養護施設に入った人も、健全な家庭生活のイメージがありません。無から有を作り出すことが出来ないように、人はイメージに無い家庭を作ることは出来ません。
 この問題は、遅発性の爆弾のように、独身時代は爆発しません。結婚し、子どもが生まれたときに、どのような家庭を作ってていいのか、途方に暮れ、そして、施設で育てるような子育てをし、結果として施設に子どもに入れる方が少なからずいます。
 
2.人生のイメージがないため、ライフデザインが出来ない

 人は自立したあとは、結婚し、子どもを作り、子育てし、子どもが自立し、老後を迎えます。しかし、人生のイメージが無いため、30歳以降の人生イメージが空白であり、人生設計を作ることが出来ません。私も、30歳から先の人生イメージが空白であり、30歳になったら死ぬものだと思いこんでいました。
 
3.正しい子育てのイメージがない

 虐待を受け施設に入った方や、養育放棄による施設長期入所者は、正しい子育てのイメージを持っていません。無自覚であるならば、人は育てられたように子どもを育てます。子どもを虐待する親は、虐待の自覚なしに子どもを育て、それを虐待と呼ばれて納得しない事例には事欠きません。
 施設で育てられた方も、施設で育てられたように、愛着を作らずに衣食住だけを満たしかねません。

4.継続的な人間関係が作れない

 養護施設では、職員1人で20人ほどの子どもを見ています。職員は担当制で子どもを見ていますが、一人一人に手をかけることは出来ません。
 さらに、職員一人が5、6人の子どもを担当していますが、数が多いだけではなく、担当する期間も短くて1年、長くても3年ほどで変わり、継続的な関係を作ることは出来ません。この細切れの人間関係は、施設を出た後も影響して来ます。

5.濃厚な人間関係が苦手

 職員配置基準が1対6と少ないため、職員は、どの子にも平等に関わりを持つ必要があり、子どもと広く浅くつきあいます。この軽薄な人間関係を学習した子どもは、結婚生活や、生まれた子どもとの濃厚な関係が息苦しくなり、施設での部屋替えを行うようにリセットしようとします。
 
6.人間関係が複雑

 家庭生活は、多くても5、6人の人間関係であり、単純で濃厚な人間関係を作っています。しかし、養護施設では、児童数60人の平均的施設でも、児童60人、職員10人の複雑な人間関係があります。その人間関係の組み合わせは、70の階乗であり、複雑すぎるものです。

トラックバック一覧

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 養護施設の措置処遇の改善問題を語るとき、養護施設を良くすれば問題が解決するかの様に語られると、親のない子ども達は尚更施設に縛り付けられるのかと、あきらめ(あきらめたくないけど)のため息が出そうになる...
2007年03月29日(木)04時09分 受信
退所時は、狭い環境での条件改善しか求められなかった / from Firedragon戦記/絆なき者の記録
テーマ:施設職員が採用する卒園生の文章とは? 自分探しの旅の時、ある職員と少しの期間メールのやり取りをした事があった。彼が「そういえばお前に、施設を退所する時に、施設生活について思う事を書いていきなさ...
2007年03月29日(木)07時05分 受信
頑張れ・施設出身者☆先生、なんでそんなになぐるん / from 空を見上げれば・時の旅人
「銀色の翼」「生かされる命の喘ぎ」から。《 先生、なんでそんなになぐるん 》     記事から 一部抜粋6才・それは、私が小学生になって暫くしてからのことだった。「お金はどうした・・」と、言う。なんのこ...
2007年09月09日(日)19時02分 受信

コメント一覧

by Maria

エドワードさん、意見書の起草、ありがとうございます。

1.児童間暴力、性暴力を根絶してください

 施設には、職員が言うところの子供同士の「性器なめ」という児童間性暴力があります。この「性器なめ」は、大きい子から小さい子への性暴力であり、強制された小さい子は、大きくなったとき、小さい子に同じことを強制します。この施設内連鎖を防止する方策を提言するとともに、万が一、被害を受けた子どものケアと、かつての被害者であった加害児童のケアについて検討してください。

2.職員の資質に制限を

 施設職員は、家庭で虐待をうけ、その納得しない子ども時代を取り戻すべく、施設職員になる方が少なくない印象を受けます。欧米では、カウンセラーになる人は、自分を正しくカウンセリングし、トラウマや納得できない過去を整理すると聞いています。
 家庭で虐待を受けた職員が、施設で家庭虐待を再現し、子どもが被害を受けるケースが少なくありません。施設職員の資格取得に関して、過去の家庭生活の整理をさせ、トラウマを施設で再現しない仕組みの検討をお願いします。

とりいそぎ、書きました。また、あとで追加していきます。エドワードさん、旗を振ってくださってありがとうございます。

2007年03月28日(水)11時16分 編集・削除

by Maria

1.乳幼児は原則として里親委託としてください

 乳児院や養護施設に長期在所している子は、半年(できれば3ヶ月)以上親が面会に来ない場合、里親家庭で生活させてください。里親家庭から実親との交流や家族再統合ができるようにしてください。

2.乳児院・養護施設に長期間子どもを預ける親の親権の制限

 子どもを乳児院・養護施設にあずけ、3ヶ月以上面会にこない親については、親権を制限し、児童相談所の職権で里親委託ができるようにしてください。

3.子どもに里親・施設を選ばせてください

 別の施設当事者が出した意見書では、「子どもに養護施設を選択させる」意見がありましたが、さらに、施設か里親か選択できるようにしてください。里親も、複数の里親を選択できるようにしてください。
 また、一度選択したら終わりではなく、里親から施設に戻っても、再度別の里親家庭にいけるような、再チャレンジの機会を与えてください。

2007年03月28日(水)15時54分 編集・削除

by Maria

1.大人数の養護施設は原則廃止してください

 子どもが人間らしく生活できる施設の規模は、せいぜい十数人程度だと思います。それ以上の収容人数の施設は、子どもの収容所といっても過言ではありません。大規模収容施設を、十数人規模の施設に解体してください。

2.施設対抗マラソンなどの強制行事を廃止してください

 養護施設では、養護施設対抗のマラソンや球技大会があります。そのために強制的に練習に参加されられたり、さらにしごかれたりします。
 このような行事は廃止し、地域と交流できる地域行事のみの参加としてください。

2007年03月28日(水)16時01分 編集・削除

by レイ

1 長期施設に居続けた児童が、里親家庭から高校に通わせる道を選択できるようにしてほしい。
 
 施設がイヤで中卒で働く道を選択する子も大勢います。もし、本当は高校へ行ける学力もありながら施設を出る事は、子どもの選択肢をますます狭めます。

 週末里親や、期間里親のように、高校支援里親のような委託の可能性をご一考下さい。

2007年03月28日(水)19時35分 編集・削除

by おいらも当事者

施設及び里親家庭で育った方の、措置解除のあとの追跡調査

2007年03月28日(水)22時32分 編集・削除

by おいらも当事者

子どもの入れ替わりが激しい。人間関係がコロコロと変わり、安定した生活が出来ない。

2007年03月29日(木)07時37分 編集・削除

by おいらも当事者

パーマネンシー(永続的信頼関係)を構築できる養育システムを

2007年03月29日(木)16時38分 編集・削除

by おいらも当事者

愛着障害の子どもを作り出すのが、乳児院・児童養護施設の長期養育。施設職員も施設の子の特徴で書いている。

施設の児童に見られる特徴的傾向
(東京施設第二・三ブロック長 東 弥生実著)

■人間関係
人間関係が希薄
特定の人との親密な人間関係が結べない
誰とでも表面上の関係は作れる
見知らぬ人にもベタベタする
他人との適度な距離の持ち方ができない
0%か100%の関係で好き嫌いがはっきりしている

■思考の過程
短絡的
プロセスを待つ事が出来ず結果だけを求める
白か黒か(マルかバツか)の答えを求め、中間が分からない
融通がきかない
毎日の生活パターンの変化に対応できない
年齢相応の思考能力の不足

■行動パターン
問題行動(万引き、パニック、夜間徘徊など)
施設生活が長く、問題なく手が掛からなかった児童が、思春期に問題行動を
起こすケースがある
自我の成育度
自己肯定感がない
他人との優劣でのみ自分のことを測る

2007年03月29日(木)20時10分 編集・削除

by おいらも当事者

養護施設に3年以上いる子は、「施設長期入所」という虐待を受けている。ま、1年でも同じなんだけど。

2007年03月29日(木)20時17分 編集・削除

by レイ

 施設の問題

1 自己肯定感が育たない

 施設で過ごし続けるという事は「施され続けている状態」を指し「恵まれない子ども達」という枠でしか生きられない。普通の家庭であるなら、親から気持ちの伴ったモノを与えられるというのに、養護施設に居続ける子どもには、自己肯定感や、プライド、正当な誇りの感覚が身に付かない。

 それでいながら、施設の子に対しては分かりきった風に「自己を否定する」「劣等感が強すぎる」と困った顔をする大人たちがいる。

 自己肯定感を身に付ける為には、施され地獄から救い出す事が先決と思う。子どもに正しい自己肯定感を。

2007年03月31日(土)08時20分 編集・削除

by エドワード

 今、障害者は、障害の程度に応じて支援費を支給され、自分でサービスを選択している。施設の子どもにも支援費制度を導入し、施設サービス、里親サービスを選択できるようにすべきだ。

2007年03月31日(土)09時33分 編集・削除

by まさかず Eメール

私は現在44歳.男性.兵庫県です。
1964年1歳未満から17歳まで、姉2人と、別府市にある(光の園白菊寮)に預けられました。つまり、エドワードさんと、ほぼ同様の施設生活を送ってまいりましたので、コメントさせて頂きます。補足分は(白菊寮)園長の浜田多恵子氏に取材して下さい。

幼児期は50人規模の幼児対象の大舎制養護施設で育ちました。小学校に上がるときに、250人規模の施設で育ちました

ほぼ同規模です。

施設の外に出るのは、月に1回あればいいほうで

男子部6人で、学校から帰って、プチ脱走していましたので、結構外の事は分かっていました。(捕まって正座の時もありましたが)

私は、社会に出てから様々な困難に直面し、結婚し、子どもを育ててきました。養護施設のみで育ったため、家庭生活を作ることに困難があったり、子育てにおいては育てている子どもに嫉妬を感じたり、地域づきあいの意味すら知らず地域から孤立することもありました

姉の内長女は女の子2人、次女は女の子1人、男の子3人を子育て終了しています。子供達は今でも家庭に満足しているとの事ですから、成功といえるのでは。

子どもは施設ではなく家庭で育つべきであるとの認識を強くしました

その通りでしょう。但し施設そのものが家である場合はそれで良いのでは。(白菊寮)が施設か家かを、確認してみて下さい。少なくとも私達男子にとっては、あそこは今でも(家)です。地元の者は特に用も無いのに、帰っているとの事。うらやましく思っています。

30歳以降の人生イメージが空白であり、人生設計を作ることが出来ません

私は30歳でマンションを買い(ローンですけど)、44歳の今でも、フリーな気分でがんばっています。

養護施設では、職員1人で20人ほどの子どもを見ています。職員は担当制で子どもを見ていますが、一人一人に手をかけることは出来ません

私達、男子部の願いでした。(もう少し目を緩めてよ、浜田先生)私達が動こうとすると、現在の浜田園長(当時新米の女性職員)が必ずいるの。(笑)その代わり私達が何か言いたそうにしていると、話すまでじっとまっていてくれましたし、そっと抱いてくれた事もありました。

担当する期間も短くて1年、長くても3年ほどで変わり

現在の浜田園長は、私が小学4年の時に着任した人です。

子どもと広く浅くつきあいます

私が、女性職員と口論し(親でもないくせに)と言った時、私をたたく代わりに、涙を流しながら私を抱いてくれた事も、広く、浅くのつきあいなのでしようか。

施設がイヤで中卒で働く道を選択する子も大勢います。もし、本当は高校へ行ける学力もありながら施設を出る事は、子どもの選択肢をますます狭めます。

私は、働きながら定時制高校を卒業しました。

大人数の養護施設は原則廃止してください

私は、大人数の御蔭で、子供ながらのコミュニケーションを勉強させて頂きました。
最後に、私はこの(光の園白菊寮)にいた事を自慢できますし、ご存知かと思いますが、長田シゲ氏(お母様)の腕に抱かれた事を、今でも幸せな思い出としています。

2007年04月19日(木)20時20分 編集・削除

by まさかず Eメール

レイさんへ

施設で過ごし続けるという事は「施され続けている状態」を指し「恵まれない子ども達」という枠でしか生きられない。普通の家庭であるなら、親から気持ちの伴ったモノを与えられるというのに、養護施設に居続ける子どもには、自己肯定感や、プライド、正当な誇りの感覚が身に付かない。

以上の記述は、私達施設経験者を、大変侮辱したものと思われます。

正確には、(一生社会に感謝し続ける者)として下さい。
それも後ろ向きでは無く、前向きに感謝しつつ、生活を送る、と言う事です。
私の場合、1歳未満から17歳まで施設にいましたので、その間、施設のおかげと共に、当然補助金と言う税金も使われ、善意の方の寄付金も使われているわけです。あの17年間がなければ、当然今の44歳の私はありません。ならば、社会に感謝し続けるのは当然だと思います。
そこに劣等感は存在しません。却って(自分)と言う存在にプライドを強く持っています。

ちなみに、私には現在の家庭の在り方から、(普通の家庭)と言う定義がわかりません。両親が揃っていても、子供に(ナゲット)やカップめんのみを与えている家庭、子供の顔をろくに見ない家庭、現在、様々な事件において、この様な家庭が表面化していますが。
私は寮にいたころの状況の方が、現在の家庭より、余程(普通の家庭)だと感じます。

2007年04月20日(金)15時40分 編集・削除

by ケイ

エドワードさん 探しました。
以前hpで、リンクして頂いてた「光の啓示」のケイです。今は「ブログ」で、施設時代の体験談「ささぶね」を紹介しています。

「30才で死ぬ」。私もそう思っていました。
結果は、施設育ちは「死ぬより辛い・生かされる命」だったと気づきました。

2007年09月09日(日)19時57分 編集・削除