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社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会への意見書(案)

 結婚し、子育てをしている施設出身者として、養護施設だけで育つことの問題点を提起します。
 Edwardは、養護施設を改善しようとは考えていない。国連の子どもの権利条約第20条の「子どもの家庭で育つ権利」を実現するために、里親制度の推進と、児童養護施設入所期間の制限を求めていく。
 施設だけで育つ子どもは、幸せな家庭生活を作ることが難しい。独身の施設育ちだけが当事者ではない。子どもを施設に入れないため、家庭生活を維持するために戦い、結婚し子育てしている施設育ちこそ、当事者の声を上げるべきだと考えている。
 養護施設は、どんな改善しても家庭になり得ない。施設でしかない。

 施設内児童間暴力・性暴力については、Edwardが知る限り、日本の大学で唯一の取り組みをしている九州大学の田嶌教授の抄録を読んで欲しい。
児童養護施設における児童間暴力(日本心理臨床学会第25回大会発表抄録,2006)
児童養護施設における施設内暴力への包括的対応(日本心理臨床学会第26回大会発表抄録,2007)

 9月22日(土)午前中までにコメント欄に意見をいただければ、出来る限り反映させたいと考えてる。

社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会への意見書(案)

1.児童養護施設内人権侵害
1)施設内人権侵害の事例
全国データに比べて低い高校進学率
 「平成17年度児童養護施設入所児童の進路に関する調査報告書」によると、平成16年度に中学校を卒業した児童の81.3%(1,703人)が「継続措置」となり、児童養護施設に入所し続けている。
 措置継続児童のうち、87.7%の児童が高等学校、盲・聾・養護学校高等部、高等専門学校に進学しているが、文部科学省の「平成17年度学校基本調査」の高等学校等進学率の全国データの97.6%を約10ポイント下回っている。
 また、平成17年度中(H17/4/1~H18/3/31)に中途退学した児童は、高校進学した児童の11.7%を占めている。
 さらに、全日制普通科に進学する児童の割合は、公立(27.7%)・私立(10.7%)合わせて38.4%であり、かなりの児童が全日制普通科以外の高校に進学している現状がある。
※この調査は、調査票を送付した557施設のうち、回答のあった408施設(有効回答率73.2%)の数字であり、回答しなかった(出来なかった?)3割弱の施設の実態を反映させると、かなり数値が変動するものと思われる。

2)施設内虐待の状況
 平成7年12月、福岡県の福岡育児院の子どもたちが体罰を訴えて、それをマスコミが取り上げるようになってから、児童養護施設における児童虐待は社会に知られるようになった。
 それ以前も、職員の暴力・性暴力を訴えた子どもはいたが、「大人の関心を求めるために嘘をつく」「虚言癖がある」などとされ、なかなか信じてもらえる状況にあった。
 平成8年4月、千葉県の恩寵園の子どもたち13名が集団脱走し、園長の虐待を訴え、テレビが放送したことで、さらに知られるようになった。しかし、社会の関心は低く、虐待するのは特別な施設と思われていた。
 平成11年9月、神奈川県の児童養護施設「鎌倉保育園」の児童虐待に対して、児童養護施設で初めての改善勧告が出された。
 その後は、次々と改善勧告や改善命令が出されるようになり、平成19年3月末現在、当会が把握しているだけで、8年間で約26か所の施設に対して改善勧告等が出されている。これは、日本の養護施設の4.7%に当たる。
 また、勧告等が出されないまでも、施設内人権侵害が発覚した児童養護施設は72ヶ所を上回り、日本の養護施設の12.9%(1割以上)に当たる。
※別紙資料参照
 そして、施設内虐待の増加(表面化)を受けて、平成18年10月6日、厚生労働省が「児童福祉施設における施設内虐待の防止について」と題した通達を出し、その中で「施設内虐待」を公式な言葉として使い、専門委員会でも、検討課題の一つとして議題にあがっている。

3)施設内虐待の権利回復の困難性
 千葉県の恩寵園児童虐待事件は、1995年8月、児童相談所へ「千葉恩寵園で児童虐待が行われている」との匿名電話から発覚した。
 千葉県及び児童相談所は、調査の結果、虐待の事実を確認し、同年10月に千葉恩寵園に対し、児童相談所及び県児童家庭課が指導しました。しかし、大濱浩園長に対する処罰はありませんでした。
 その後、2000年3月10日に、卒園生ら13名が、千葉県・社会福祉法人恩寵園・元園長大浜浩に対する損害賠償請求訴訟を千葉地裁に提訴したが、2007年12月に、ようやく一審判決がでることになった。
 岡山県の津山二葉園では、元園長が経営するパン屋で児童を早朝から深夜まで働かせていたり、施設内で袋づくりの内職を深夜まで児童に強制労働させるなどの児童虐待・児童強制労働があった。
 卒園生らが2003年7月に、損害賠償請求を求めて岡山地裁に提訴したが、2007年9月に、ようやく結審し、一審判決が出されることになった。
 このように、児童養護施設で起きた児童虐待や児童への権利侵害に対する回復は、裁判を経ても、時間がかかる。

4)個人情報保護法と児童票の扱い
 千葉県の児童養護施設「恩寵園」、東京都の養護施設「生長の家神の国寮」、岡山県の児童養護施設「津山二葉園」などにおける卒園生たちによる損害賠償請求訴訟では、施設側から児童の非行などの不適切行動の証拠として、提訴した児童の児童票が提出された。
 当該児童の個人情報、それも、重大な秘匿すべき個人情報であるにも関わらず、当該児童への承諾もなく、施設側の都合で裁判に提出された。
 個人情報保護法は、社会福祉法人も適用されるものであり、児童票は重要な個人情報である。
 児童票の本人開示や訴訟などで公開する際の本人同意などの手続きが定められていない。

5)施設内で虐待や児童間暴力を受けた子どものケアがないこと
 2007年1月25日、民間児童養護施設暁学園における児童間暴力による被害児童の脳への後遺症について、最高裁は、措置権者である愛知県のみに損害賠償責任を認めた。施設内で起きた職員による暴力・性暴力、児童間暴力・性暴力によるトラウマ治療は、措置した都道府県が行う責任がある。
 施設内虐待、施設内児童間暴力・性暴力等でトラウマを受けた児童については、養護施設を出た後も、トラウマ治療などを継続する義務がある。

6)施設内虐待、人権侵害が発生したときの公的機関による調査がない
 児童養護施設などのおける児童虐待や人権侵害の発生、宇都宮里親傷害致死事件などの里親家庭における虐待事件など、社会的養護の対象児童への権利侵害事件が発生したとき、調査委員会を設置し、権利侵害の発生要因や改善策について公表すべきである。

7)都道府県によって施設内虐待への対応の温度差がある
 児童への職員による性虐待事件のみならず、他の虐待事件が発生しても、子どもへの影響などという理由で施設名を公表しない県がある。神奈川県の聖園子どもの家におれる職員の複数児童へ性虐待事件も、県は勧告をしたにもかかわらず、事件すら公表していない。
 社会的養護の虐待事件・権利侵害事件については、公表基準を定めるなどして、きちんと事件を公表すべきである。

8)児童を性虐待した職員の刑事告発がなされていない
 鹿児島県川内精舎など、児童への性虐待を青少年健全育成条例違反などの容疑で刑事告発する県もあれば、神奈川県聖園子どもの家における複数児童への性虐待を刑事告発しない県もある。
 児童への性虐待は、発覚した時点で、警察に告発すべきであろう。

2.施設内児童間暴力
1)施設内暴力・性暴力の現状
 施設内暴力・性暴力には、①職員から児童への暴力・性暴力、②児童から児童への暴力・性暴力、③児童から職員への暴力の3つの暴力がある。
 これらを、たとえば職員の暴力一つだけ解決するのは困難であり、総合的に解決していくべきである。

2)児童間暴力・性暴力は短期間の暴力連鎖である
 児童間暴力は、虐待を受けた子どもの再演という側面が語られる誤解があるが、正しくは、児童間暴力の連鎖である。上級生からの暴力・性暴力を受けた子どもが、数年後には、加害に回る短期間の連鎖である。

3)新聞記事の実例の紹介
過去の施設内児童暴力の新聞報道
神奈川県聖園子供の家における児童性虐待及び児童間性虐待

4)児童間暴力・性暴力を受けた子どもへのケアがない
 児童間暴力は、長い間見過ごされていたこともあり、解決のみならず、被害児童・加害児童(かつての被害児童)へのケアの取り組みがなされていない。児童間暴力の被害児童へのケアを行うべきである。
5)施設内児童間暴力への取り組みの実例
 施設内児童間暴力を正しく認識し、全ての施設内暴力を根絶し、児童養護施設を安全で安心な子どもの育つ場所とするための取り組みが、数少ないながらも、行われている。全ての児童養護施設で、このような施設内暴力を根絶する取り組みを義務づけるべきである。
※別紙「児童養護施設における児童間暴力の根絶に向けて(九州大学田嶌誠一教授)」参照

3.行政の不作為によるシステム虐待・システムネグレクト
1)子ども時代の全てを施設で育つ子どもが1割いる。
施設の在所年数10年以上が1割、5年以上が3割
児童福祉司の面会がない。

2)養子縁組は最大の児童福祉である
乳児院から18歳まで施設で育つと約1億円の経費がかかる。経費削減と児童の最大の利益のために、養子縁組「」

3)養子法が制定されていないのは先進国の中では日本だけ
先進諸国では、「養子法」を制定し、監督官庁が養子縁機関(エージェンシー)の監督を行っている。

4)国際養子縁組に関する国際条約(ハーグ条約)の未批准国
国際養子縁組に関する国際条約(通称ハーグ条約)では、

5)要養護児童の9割が養護施設・乳児院に措置
少子化であるにもかかわらず、養護施設・乳児院への措置児童は減らず、里親委託児童が減少している。最近は、少し下げ止まり。

6)子どもの権利条約第20条(子どもの家庭で暮らす権利)が守られていない
国連子どもの権利委員会から改善勧告が出されている。

7)子どもには、固定された永続性のある関係が必要
 欧米の社会的養護の対象児童へのケアプランは、パーマネンシー(永続的関係)に基づき立てられている。
 日本の児童養護施設は、職員の平均勤続年数が3~4年であり、ひとときに関わる児童数が大舎施設では20人以上となり、個別ケアや愛着形成からかけ離れた集団管理の場となっている。
 欧米の里親制度を中心に据えたパーマネンシープランを立てるべきである。

8)子どもには家庭で暮らす権利がある。

参考資料
1.「今後目指すべき児童の社会的養護体制に関する構想検討会」への意見書
  施設内虐待を許さない会 2007/04/03 提出
2.日本心理臨床学会発表抄録2006-2007 (九州大学田嶌誠一教授)
3.児童養護施設における児童間暴力の解決に向けて その1
  (九州大学田嶌誠一教授)
4.児童養護施設における児童間暴力の解決に向けて その2
  (九州大学田嶌誠一教授)
5.施設内人権侵害事件一覧(平成7年~19年) 施設内虐待を許さない会

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Edwardさんの意見書を読んで / from Mariaの戦いと祈り
 Edwardブログに掲載された九州大学の田嶌教授の学会発表抄録を読んだの。・児童養護施設における児童間暴力(日本心理臨床学会第25回大会発表抄録,2006)・児童養護施設における施設内暴力への包括的対応(日本心理臨床学...
2007年09月22日(土)07時50分 受信

コメント一覧

by cheese

EDWORDさん、はじめまして。
乳児院を経て、児童養護施設を措置解除後、諸々ののち、なんとか社会に適応すべく努力中のCheeseといいます。

突然のコメントをする非礼をお許しください。

22日までは意見を受け入れてくださるとのこと、もう少し考えて、またご意見させていただくかもしれません。


孤児院幻想からの脱却
 1)児童養護施設に関する正の幻想
 ・親のないこどもたちが入所する。
 ・親がなくても、みんなで力をあわせるけなげな子どもたちが暮らしている。
 ・能力に応じた教育が受けられなくても、聡明で知的、ちょっとシニカルな子どもがいる。
 2)児童養護施設に関する負の幻想
 ・親がいないせいからか、なんだかガラの悪い子が多い。
 ・親がいないせいからか、性的に早熟な子が多い。
 ・親がいないせいからか、なんだか頭が悪い子が多い。
 
1)、2)は、私が児童養護施設からの措置解除後、出会った人々の、児童養護施設に関する幻想を簡単にまとめたものです。
まるで、足長おじさんの世界です。私たちは、ジュディ・アボットではありません。
 しかしながら、世間の目は、ある種正しい。
 ガラが悪く、性的に早熟で、頭が悪い(というよりも、年若くして学歴というパイプラインからドロップアウトする子が多い)という負の幻想は、児童養護施設出身者としては、不快ながらもある種正解であることを否めません。
 施設には、触法少年もいる、レイプは横行している、親が子どもを社会に送り出すに当たり最低限度教養、教育を身に着けておくように仕向ける教育圧力はない。
 その結果、児童養護施設出身者は、「差別せず、公平に扱わなくてはならない(なにしろ、けなげな子たちだし)、でも、自分はかかわりたくない(なんだか、強面だし)」存在になっているように思います。

 まずは、この奇妙なパラダイムからの実質上の脱却をお願いしたいとおもいます。
 触法少年と、被虐待児と、要養護児童が必要とするケアは異なる。
それらは個別に成されるべきものであり、それらが個別になされることが世間に知られているべきと考えます。

2007年09月20日(木)23時40分 編集・削除

by Raywing (レイ) URL

4)児童間暴力・性暴力を受けた子どもへのケアがない
 児童間暴力は、長い間見過ごされていたこともあり、解決のみならず、被害児童・加害児童(かつての被害児童)へのケアの取り組みがなされていない。児童間暴力の被害児童へのケア
を行うべきである。

 ↑ ここへ追加希望(あるいは社会に出てからの項目追加)

■ 養護施設内で暴力・性暴力を受けたものは自覚のあるなしに関わらず、社会に出てから問題化する。被害/加害児童のケアは施設内では措置期限も切れてしまう為不可能なので、本人が社会人になった後でも、ケアを受けられるように希望する。

 ただし虐待を受けたという当事者の自覚や本人の行動と過去の因果関係の部分で難しい側面も。

他にもありましたら、書かせていただきます。

2007年09月21日(金)06時08分 編集・削除

by Maria

 あたしも、結婚し、子どもを育てていくことに現実感がもてないの。
 養護施設は、どんなに良くなっても、養護施設でしかない、これは、あたし達も、ブログで主張している。
 あたし達は、ネットで7年間発信を続けてきた。別に、あたし達に挨拶をしろとはいわないけど、あたし達が一緒に活動しているEdwardさんを担ぎ出すのなら、それなりの仁義は必要ではないかしら?

 実は、日向ぼっこの主張も、草間さんの主張も、よく判らないの。

 養護施設を理解したら、なにがどう変わるの?

 子ども時代の全てを施設で過ごす子どもが、幸せになるの?

 そもそも、施設で子ども時代の全てを過ごすことが、人間的に正しいことなのかしら?

 Edwardさんは、いつもそれを主張している。だけど、日向ぼっこは、その問題には、きちんと回答せず、逃げてばかりいる。

 それどころか、里親家庭で育った子どもたちを巻き込み、自分たちの主張を正しいかの表現をする。

 養護施設だけで育つのは、子どもにとって不幸でしかない。
 日向ぼっこや草間さんが、養護施設を理解しろというのなら、自分の子どもを施設に入れる事ね。そこまでして主張するのなら、世間は理解するかもしれないわね。

 もっとも、施設に入れられた子どもは、親の犠牲になるけど、それは、施設で育った親の自己肯定の結果だから、きっと理解してくれるんじゃないかしら?

 ま、あたしは、はいつくばっても、子どもを施設に入れるつもりはないけど…

 あんな地獄を肯定して、誰が喜ぶの。施設職員の回し者としか思えないわね。

 そういえば、施設に事務所を借りているのでしょう?

 養護施設を敵に回しているSTOPの事務所には貸せないけど、養護施設万歳の「当事者」には喜んで貸すのよね。

 ま、子どもを施設に入れる当事者にならないことを祈るわ。子どものために…

2007年09月22日(土)00時17分 編集・削除